基本方針

基本方針

第54代理事長 北川誠八

理事長 北川誠八君

 

【はじめに】

私たちを取り巻く環境は、日々刻々と変化しております。技術の向上、インフラストラクチャーの発展により、ブロードバンドやスマートフォンの普及、交通アクセスの改善など、以前では想像できなかったことが現実となっています。そして、変化する速度も速くなってきています。個人で手軽に情報が手に入る今、人と人の繋がりが希薄になっているように感じます。

2011年3月11日に発生しました東日本大震災から5年の月日が過ぎようとしております。震災直後はこれからどうなるのだろうという不安で、日本中が包まれていましたが、すぐに被災した地域への支援の輪が広がり始めました。不安は完全に無くなることはありませんでしたが、被災地への支援を通じての団結力、行動力は、ちちぶ地域も例外なく日本全国の各地に広がっていきました。個人主義の時代と言われている昨今、東日本大震災では、日本全体が利他の精神で行動するという、日本人の強さの根底を垣間見えたように感じます。

私たちは、ひとりでなんでもできるわけでなく、多くの人との関わりの中で生き、生かされています。コミュニティとしての最小単位である「家族」、次に「会社」など、ほぼすべての人が多くの人と関わって生活をしております。普段の生活においても、利他の精神を持ち、他者を思いやりながら行動する日本人は、東日本大震災という未曽有の大震災でも、海外から多くの賞賛の声をいただくような行動ができるのです。そのような私たち日本人が、そして青年が、団結して行動することで変えられないものは無いのではないでしょうか。

青年会議所は、明るい豊かな社会への実現へ向けて、世界で、日々、運動を展開しております。いつの時代も世界を変えてきたのはたった一人の行動からです。その熱い想いを持った一人の行動から共感が生まれ、輪が広がることで世界は変わっていくのです。なかまがいることで変わっていくのです。

私たち(公社)秩父青年会議所の会員は自らの幸せを願うのであれば、ちちぶ地域の幸せを考えていくことが必要です。ちちぶ地域の明るい豊かな社会の実現へ向けて、会員一人ひとりが地域社会の一員であることを自覚し、自分たちの社会は自分たちが創る、未来は私たち青年の行動にかかっているという意志を持って行動することが大切ではないでしょうか。

私たちは同じ理念を持ったなかまとともに団結し、行動することがより良いまちづくりに繋がると確信しています。今の一瞬一瞬の積み重ねが未来を創ると信じて、失敗を恐れず、泥臭くもあきらめずに英知と勇気と情熱を持って全力で行動してまいります。

 

【魅力溢れる人物になろう】

あらゆる変革の根源は一人の行動からです。私たちの一人ひとりの行動でちちぶ地域を変革していくことはできると信じています。一瞬一瞬、手を抜かず、誰がいなくとも全力で取り組んでいくことで、変革していけるのではないでしょうか。

青年会議所は、本気で自らの地域を変えていくという理念を持った青年団体です。より良く地域を変えていく為には、青年経済人として先頭に立って行動していかなければなりません。先頭に立って行動し、多くの人々に協力してもらい、地域を変えていくのです。先頭に立って行動するからには、リーダーシップが執れる人材でなければ、効率よく、物事が進んでいかないのではないのでしょうか。そして、一緒に行動してもらう、仲間のことをしっかりと考えていかなければなりません。リーダーシップとは何かを学び、心のあるリーダーシップの取れる人材育成を目指してまいります。

 

【誇れるちちぶ】

私たちの故郷であるちちぶは、緑豊かで自然が溢れる、祭りなどの文化と伝統のある地域であります。近年ではマスメディアに取り上げられることが多く、観光地としても多くの人々が訪れています。これは多くの観光資源がちちぶ地域にあるからです。しかし、社会問題になっている人口減少、少子高齢化は、ちちぶ地域でも例外ではありません。

JC運動とは、市民の意識を変革するまちづくり運動です。「まちづくり」は「ひとづくり」と言われます。言いかえれば、「ひと」が「まち」を創るのです。まちづくり運動を通して、まずは私たち青年会議所の会員がちちぶ地域の、文化、伝統、自然などのちちぶ地域の資源に対して学び、自信と誇りを持つことが大切です。そして、長期的な視野を持ったまちづくりを考え、多くの市民が参加できる市民参加型の事業の構築をしてまいります。市民が自信と誇りをもって住んでいけるように、ちちぶ地域にしかない個性と魅力ある資源を市民へと発信してまいります。私たちが住むちちぶ地域に自信と誇りを持って「好き」と言えるような人の輪を広げていくことで、より一層の明るい未来が創られていきます。

 

【情報化時代】

高度情報化社会に生きている私たちは、情報を主体的に正しく見分け、適切に判断し、利用する能力を身につけることが必要であります。また、ブログ、ホームページ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)により情報発信がより簡易になりました。このような情報化社会では、私たちの事業を、多くの人々に知ってもらうには、とても便利な時代です。その反面、情報が多くの人々の意思決定や行動に大きな影響を与え、個人の情報が開示されてしまうというようなリスクを伴うことも増えました。

情報量が多い現在において、ホームページなどで発信する私たちの事業の情報は、多くの人々に見てもらうようにする仕掛けが必要であります。私たちの事業の目的、内容などの情報の一つひとつをしっかり伝えるための発信の仕方や、載せ方などの検証を繰り返してまいります。そして、事業を多くの人々に伝え、認知してもらい、運動へと繋げてまいります。さらには、情報を駆使したリアルとバーチャルが融合した新しいまちづくりにも挑戦してまいります。

 

【未来を創造する次世代】

次世代を担う子どもたちは地域の宝です。子どもは周囲の環境や様々な体験をすることで価値観は変わっていきます。この地域の未来を担う子どもたちが、豊かな心を育むための機会を提供していくことは、私たち責任世代の大きな責務のひとつです。

グローバル化が進み、時間的にも距離が短くなっている今、世界を知ること、感じることは日本を知るきっかけになります。世界という大きな枠組みで、学び、意識していくことが、大切になってきております。インターネットなどで、世界の様々な情報が瞬時に手に入る時代です。しかし、百聞は一見に如かずというように、インターネットやテレビなどモニターを通しての情報は、自らが体験した経験に勝ることはありません。子どもたちには体験型事業を通して、実際に経験し五感で感じることでしか得られないものがあることを体験してもらいます。そして、積極的に行動することで、多くの経験ができ、物事には色々な見方、考え方があると思ってもらえるような事業を展開してまいります。自ら積極的に行動する子どもが一人でも多くいることが、ちちぶ地域の明るい未来の創造へ繋がると信じています。子どもたちと、多くの時間を共有し、その時間の一瞬一瞬をお互いに大切にし、明るい未来をともに創造していきます。

 

【55周年を迎えるにあたって】

(公社)秩父青年会議所は来年度、創立55周年という節目を迎えます。記念すべき55周年をスムーズに迎えることができるよう、創立から現在に至るまでの歴史を振り返り、学んでまいります。未来は過去を知ることで紡いでいけるのです。入会3年未満の会員が多い中で青年会議所の歴史を知る絶好の機会となり、その歴史を知ることで、多くの先輩方の熱い想いを感じ、会員一人ひとりが(公社)秩父青年会議所に誇りが持てるのです。

組織の根幹は人であります。会員の資質の向上により私たちは、外から内から、どちらから見ても魅力のある、頼れる団体を目指してまいります。青年会議所は40歳までという制限ゆえに若さを失わず、希望に溢れ、力強く未来に向かって前進できるのです。多くのなかま、会員がいるからこそ、様々なことに挑戦していけるのです。より多くのなかまの拡大を進めることで、今後も力強く前進していけるのです。

【結びに】

「心が呼ばなければ、やり方も見えてこないし、成功も近づいてこない。

だから、まずは強くしっかりと願望することが重要である」

稲盛和夫「生き方」より

 

(公社)秩父青年会議所は1962年の創立以来、常にちちぶ地域と共に歩み、地域の為に運動を展開してきました。創立50周年で策定させていただいた「創立50周年近未来運動指針」にもありますように、「まちづくり」は「ひとづくり」であります。環境の変化が著しい中、まちづくりを進めるには、個人の価値観の変化や社会システムの変化に対応した考え方が必要となってきます。(公社)秩父青年会議所は魅力ある団体であるために、「変えるべきもの」と「変えてはならないもの」を認識したうえで、失敗を恐れない心で、なかまと共に団結してまいります。そして、会員一人ひとりが、すべての事業に真摯に取り組み、お互いの個性、価値観を尊重しながら、自分たちでちちぶ地域を発展させていくのだという思いを強く持って一瞬一瞬を全力で取り組んでまいります。

最後になりましたが、会員諸兄姉のご理解ご協力をお願い申し上げ、また関係諸団体、会員企業のご発展をお祈りし、(公社)秩父青年会議所2016年度理事長基本方針とさせていただきます。