基本方針
2010年度 社団法人 秩父青年会議所 基本方針 第48代理事長 篠﨑 基弘
〜はじめに〜
輝くまちとは、まちの魅力を大切にし、愛着や誇りを持ち、より活気溢れるまちを自分たちの手で創っていく、そんな高い志を持った人がたくさん住んでいるところだと思います。現在の日本には、自分のまちに愛着や誇りを持てず、自分の生活や将来のことのみ考え、まちや他人はどうなっても構わないと考える自己中心的な人が増えています。一方で、まちのために何か役に立ちたいと思いながらも、一人ではどうしていいか分からない青年もいます。
私たち青年は、満ち溢れる力と限りない可能性を持っています。自分さえ良ければいい、今が楽しければいい、そんな考えは捨て、このまちのために、子どもたちの未来のために、そして愛するもののために、私たちは今こそ自分の心を見つめ直し、自分は何のために生まれてきたのか、何を成すべきなのか、真剣に考え、高い志をもって行動しなくてはなりません。混沌とした社会に、自らを律し信念と勇気を持って立ち向かい、社団法人秩父青年会議所メンバーは千里の駒となり、千里の駒が集い万里を走り、明るい豊かな社会の実現に向けて行動してまいります。
〜親がかわれば子どももかわる。夢溢れる未来予想図を子どもたちへ〜
夢を持てない子どもたちが多くなったとよく耳にしますが、嘆くのは子どもたちに対してでしょうか。大人は「夢を持て」と簡単に言いますが、子どもたちはそんなに簡単に「夢」を持てるのでしょうか。そう言う大人たちは、「夢」を持っているのでしょうか。報道では、「また戦争だ。」「不況で大変だ。」「犯罪が多い。」そんな話ばかりがなされ、それを見聞きしている子どもたちは、はたして夢を持てるのでしょうか。夢を持てないような世界にしておいて、子どもたちに「夢を持て」「なぜ夢がない」などと言うのはおかしい気がします。
あなたは、UFOを信じますか。神様を信じますか。皆さんは子どものころ、空想を巡らすなかで、目に見えないものへの想像をふくらませたことがありませんでしたか。日本には、神話やおとぎ話があり、昔の子どもたちは親から寝しなによくそういった話を聞かされたものでした。子どもたちの心の中では、それらの話の世界がまるで映像のように広がっていくのです。ところが今の日本社会では大人はもちろん、本来そうした夢を抱く子どもたちでさえ、目に見えない世界を信じなくなってきています。サンタクロースを信じる子どもの年齢も、少しずつ下がってきているといいます。
まず私たち大人が夢を持ち、夢を語り、そんな背中を子どもたちへ見せていかなければなりません。また背中を見られてもはずかしくない大人であるよう自己管理し、道徳的判断ができるようにならなければなりません。
子どもたちと体験型事業を通し、多くの時間を共有し、感動や夢、魅力溢れる未来予想図を子どもたちと共に創造したいと考えます。
〜郷土を愛する心〜
都市化現象により、郷土の伝統や文化が忘れ去られようとしている昨今。ちちぶには、秩父夜祭をはじめとする誇るべき歴史・伝統・文化が多く残されています。私たちが郷土に誇りを持つためには、先ず自分との係わりを理解し、生の由来や生育の過程を振り返ります。それが自分を支えている心のよりどころであり、生きている基礎であることを、郷土に親しみ、気付き、懐かしむ事により感得します。そして私たちの”郷土を愛する心“を育てることがさらなる発展のために重要だと考え、一人でも多くの人に、ちちぶを好きになっていただけるよう情報を発信していきます。
ディズニーランドは永遠に完成することのないもの、常に発展させ、プラス・アルファを加え続けるもの、要するに生き物なんだ。(略)
それに、大衆が何を求めているのかについての僕の理解が深まるにつれ、パークはもっとすばらしいものになる。(ウォルトディズニー)
秩父舞祭りC−DANCE!も行政機関や各種関係団体はもちろん、多くの地域の皆様のご支援により、中心市街地活性化のまちづくり運動の一環としてめまぐるしい発展を遂げてきました。本年第9回を迎えるにあたりより一層のプラス・アルファを加え発展したいと考えます。秩父音頭のように大人から子どもまでちちぶに住むすべての人々が認知し踊れるよう、公共団体や各教育機関、各種団体などへ目を向け、ちちぶにたくさんのチームができるよう働きかけていきたいと考えます。またチームの育成・教育事業も課題として取り入れ、よりすばらしい秩父舞祭りC−DANCE!を展開していきたいと考えます。
〜人間が生きていくために、必要なもの“きれいな空気・きれいな水”〜
私たち人類は、自然環境を利用し、資源を採集し、つくりかえることにより文明を発展させてきました。しかし、人間も一生物として生態系の一部であり、文明社会もその一部であって、自然環境と無関係に存在するわけではありません。人間の活動は地球全体の環境に影響を与え、地球規模で問題が深刻化しています。まず私たちの周りにある身近な環境問題について調査・研究し、理解を深め、できることから行動する。その積み重ねが、やがて大きな問題の解決につながるのではないでしょうか。広大な森林と荒川の源流を有する美しい“ちちぶ”を未来へ渡すために、まずその第一歩として、自分たちからできるエコロジー運動を始めたいと考えます。
「やってみせて 言って聞かせて やらせて見て ほめてやらねば 人は動かず」
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず 」
「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず 」(山本五十六)
私たち社団法人秩父青年会議所の、ここ数年にわたる拡大運動の成果として、多くの新しい“なかま”が入会いたしました。メンバーの半数が入会3年未満という状況のなか、拡大した組織を運営する上で、必要とされる知識と経験の不足を補うため、メンバー全員のさらなる資質の向上を狙った研修を行い、組織力の強化をしたいと考えます。それに伴い、メンバー全員が、情報を共有できるようなシステムを導入し、スケジュール、目的、考え方などの共有化を明確に徹底し、メンバー一人ひとりの力が積み重なり、ちちぶを輝かせるような組織を作りたいと考えます。
メンバーの多くは、企業の中でもリーダーに近い立場にあり、地域活動の中でも中核を担うべき存在です。また、私たちがJC活動を展開できるのは、企業がバックボーンとしてあるからです。自社の存続なくしてJC活動はあり得ないと言っても過言ではありません。リーダーとは、確固たる信念と自信を持ち、正しい事を貫き通せる人だと考えます。そんなリーダーになるためには、人の言葉にしっかり耳を傾け、決断する力が必要です。人の心を感じ取れる繊細な心も持たなければなりません。この変化の早い混沌とした時代に生き残っていくためには、時代の先を読み、変化を敏感に感じ取り企業を改善、革新していける経営資質を磨いていくことが必要です。そして会員企業の発展が地域の発展につながると考えます。
〜公益法人制度改革への対応〜
2008年12月1日より、公益法人制度改革がスタートしました。これにより、社団法人格をもつ社団法人秩父青年会議所も、諸先輩方が築き上げてきたこの誇るべき組織のあり方について、重要な決断を迫られる状況となりました。具体的には、2013年11月末までに、公益社団法人へ移行しなければなりません。予算面・運営面の両方で抜本的な見直しが必要となり、今まで以上に、厳格な会計処理・情報開示能力が求められます。
前年度に引き続き全メンバーを挙げた議論を含め、公益法人制度改革特別組織を立ち上げ移行準備の実務に入っていきます。
〜“誰かがやってくれるだろう”ではなく“自分がやってやる”〜
本当に信頼できる“なかま”とはなんでしょう。信頼できるからといって、なんでも言っていいわけじゃない。何を言っても大丈夫だから本当の“なかま”ということならば、それは甘えと馴れ合いの関係ではないでしょうか。自分がJCメンバーであることにプライドを持ち、同じ価値観のもと共に語り合い、共に困難を乗り越え成長してこそ信頼関係ができるのではないでしょうか。
このまちに対して人一人が成し得ることには限りがあります。しかし、私たちは一人ではありません。そんな“なかま”が、相集い力を合わせ「明るい豊かな社会の創造」を目指しています。一人では重い扉も、なかまと共に立ち上がれば必ず動き始め、ちちぶの未来が拓けるはずです。
考えているだけでは何も生まれません。失敗を恐れず一歩前に踏み出し、“誰かがやってくれるだろう”ではなく“自分がやってやる”そんな気概をもって、自分に納得のいくまで真剣に行動します。
社団法人秩父青年会議所の歴史と伝統を継承する私たちは、このまちに様々な足跡を残してこられた先輩方に改めて敬意と感謝を表し、高い志をしっかりと次代に引き継いでいかねばなりません。そして、会員一人ひとりがJCの魅力を発信し、会員全員で新たなる“なかま”の拡大を進めてまいります。
〜おわりに〜
私は、ちちぶに生まれ社団法人秩父青年会議所に入会し、多くの財産となる“なかま”に出会いました。夢と希望を持ち、頑張ることの大切さを教えてくれる社団法人秩父青年会議所が大好きです。だからこそ、私は“なかま”を大切にし、絆を強く結び理解を深め、共に行動できることに感謝し常に何事もポジティブに考え、自分の可能性を信じ、勇気を持って挑戦し続けることが、大切なのだと考えます。そんな社団法人秩父青年会議所にしたいのです。一人ひとりが力を合わせ努力すれば、明るい豊かな社会を創造できると確信しています。
最後になりましたが、会員諸兄姉のご理解ご協力をお願い申し上げ、また、関係団体、会員企業のご発展をお祈りし、第48代社団法人秩父青年会議所基本方針とさせていただきます。