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2012年度 社団法人 秩父青年会議所 基本方針 第50代理事長 原島 孝幸
【スローガン】
原点回帰
~ 創始の精神を思い起こし、今の我々にしか出来ない情熱的なまちづくりを ~
【はじめに】
青年会議所が共通の理想としている「明るい豊かな社会を築き上げる」とは、日本に青年会議所が誕生して63年を経過した現在において、どのような意味を投げかけるものなのでしょうか。誕生当初の戦後復興期においては、「荒廃した国土の再建」がまさしくその意味するところであったと思います。しかし、その理想は時代とともに変化してきたはずです。高度成長期には物質的な豊かさ、そしてバブル経済期以降は心の豊かさがこれにあたるものであったのかもしれません。半世紀を迎える(社)秩父青年会議所には、その時代に即してしっかりとした目的と目標への強い意識を持ち、ちちぶ地域の「明るい豊かな社会」の実現に向けた大局観や想像力を持って弛まなく行動してきた歴史があります。そしてそこには必ず故郷の繁栄を願う共通した強い志がありました。
簡便で快適な暮らしに慣れてしまった現代の日本では、自己実現の原動力となり、社会貢献の基盤ともなる目標意識や目的意識を見失いがちですが、まずは皆で夢や理想、目標を持つべきであると考えます。そしてその夢に向かって、まさに自らの力で変革へと舵を切っていこうとする行動こそが、青年期を生きる私たちの本領であり、社会の私たちにかける大きな期待なのです。変革すると言うことは世の中を変えるということでありますが、それは決して大それたことではありません。故郷であるこの「ちちぶ」において取り組むことのできることは沢山あり、大きくとらえるのではなく、むしろ身近なところから始めることが重要なのではないでしょうか。失敗を恐れるあまり無関心を装い、傍観者になっていてはいけません。我々の運動が本気で時代を動かすという気概を持って、チャレンジ精神を忘れずに、地に足をつけた行動を起こしたとき、我々は50年目の節目をもって、更に(社)秩父青年会議所の価値を高め、真に社会に必要とされるJCとして、未来に飛躍する1年となるでしょう。秩父青年会議所設立趣意書に記されている「楽しい家庭、あたたかい社会、明るいまち、美しい都市、豊かな郷土、立派な秩父市」の実現は我々青年の手にかかっているということをもう一度強く自覚しなければなりません。
【伝統と革新】
1962年、ちちぶの地において日本で238番目に(社)秩父青年会議所が誕生し、本年で創立50周年を迎えることとなりました。JCは単年度制であるが故に、当年度に直面する課題や地域からの要望に対し迅速に対応ができるというメリットがある反面、一方では持続性や継続性を必要とする事業、とりわけまちづくり事業のように一年では目的を達成することが出来ず、検証を繰り返しながら精度を高めていく事業に対しては、単年度制がデメリットとなってしまいます。過去の成功体験や既成概念を尊重しながら、例年通りに同じことを繰り返しているだけでは、新しい創造的なものは何も生み出されず、過去の目的意識や目標意識を検証することなしに、無責任に変えてしまっても受け継がれてきた大切なものを失ってしまうこととなります。伝統と革新のバランスを保ちながら、変えざるもの、変えるべきものを冷静に見極めることが今、私たちに求められているのです。
【組織としての誇りを持とう】
私たちはJCという組織にもっと誇りを持ち、可能性や価値というものをJC運動の中でさらに見出しましょう。まちづくりにはマンパワーが必須なように、まちづくりを語る団体として会員の拡大にはメンバー全員で取り組まなければなりませんが、その時に勧誘する私たちがJCの魅力を伝えられないようでは誰も入会するはずはありません。だからまずは私たち自身が活動の意義を理解し、新たに若者が希望に燃えて入会したくなる魅力的な組織でありたいと考えます。
より広域的さらにはグローバルな視点から我々の地域に根ざした活動を見下ろしてみることも大切なのではないでしょうか。埼玉ブロック協議会や日本青年会議所、そしてJCIの一員であることを認識して、これらのネットワークを活用しながら、各種大会や会議に積極的に参加することで、時代を先駆けた運動を肌で感じ、JCの本質を感じ取る機会として欲しいと考えます。
そうして誇りある団体として多くのなかまを得ることができた我々の運動は、より推進力を増し、さらに地域住民・企業・行政からより一層の期待とニーズを集めるようになれば、「この組織に入会したい」、「うちの社員を入会させたい」とやがて周囲から望まれるようになるでしょう。
【地域に必要とされる秩父JCとなろう】
地域から本当に必要とされる組織とは如何なるものなのか。それは目標に向かい計画的に実行できる組織であると考えます。我々は単年度制という枠組みを考慮しながらも、しっかりとした中長期ビジョンを持って運動を展開する事が重要です。メンバー全員で目指しているものを共有し、方向を見失うことなく邁進していくことが大切です。
未来のちちぶ地域に何を期待しているのか。我々が思い描くまちのグランドデザインはどんなものなのか。そのためにはどんなテーマで物事に当たるのか。我々は50周年を機に、将来を正しく展望したJC運動を展開できるよう、未来ビジョンの実現に向かって邁進する中長期的な運動指針を発信します。
【公益性と透明性】
公益法人制度改革により 社団法人 秩父青年会議所の法人格移行の選択がせまられるなか、公益社団法人格取得の総会決議を受けて、我々は公益性の確認、会計や定款の見直し・変更等を進めて参りました。この制度改革への対応は、ただ単に公益法人格の取得を目的として、行政の審査を通過させるテクニック的な組織改革では視野を狭めてしまい、青年会議所の持つ本来の活動・運動の目的を見失う恐れがあり本末転倒となってしまいます。公益格を取得するということは、地域になくてはならない団体として要求される高い公益性と透明性を兼ね備えた組織を再建する手段として捉えることで、はじめて我々のとった選択として意味をなすものとなるのです。
また、情報発信の方法が多様化するなかで地域に運動を波及させるためには、地域メディアの積極的利用はもちろん、可能性のある新たな媒体があれば柔軟に活用しながら、事業の告知・報告だけにとどまらず、なぜこれをやっているのか、どうしていきたいのかという事業の背景を強調することで運動を発信し、小さな変化を起こしていくことに重点を置いた広報活動を展開いたします。また、情報発信をするだけでなく、市民や地域のニーズを反映する双方向のコミュニケーションシステムを構築することも目指して参ります。
【地域に笑顔をもたらそう】
戦後最悪の自然災害となった昨年の東日本大震災、さらに原子力発電所事故により、今もなお避難所生活を強いられている方々は多く、復興への長い道のりになると思われますが、(社)秩父青年会議所としても昨年より引き続き、被災地への関心を絶やさず支援活動を行って参ります。
また、震災の影響による二次的な被害として、全国各地における地域経済の低迷と人々の精神的な不安が問題となっていますが、こんなときこそ、我々青年経済人が希望を持ち、まずこのちちぶ地域において、先頭にたって自らの地域を活性化させ、健全な経済活動を行わなければなりません。地域の人々が笑顔を取り戻し、まちの発展があって、その先にはじめて被災地への充実した支援が成し得るのです。
昨年、秩父舞祭りC-DANCE!は、第10回記念大会として盛大に開催され、新たなビジョンの策定もなされました。祭りとしても成熟し、ひとつの区切りを経たともいえる本年は、あらためて参加者や観客、子どもからお年寄りまで、ちちぶ地域の皆様ひとりひとりの笑顔にこだわり、元気を取り戻していただくことにこだわって開催したいと考えます。秩父地域に限らず広範にわたる参加者の協力のもとに発展してきたので、どうしてもイベントとしての華やかさに目が向けられがちですが、もう一度足元を見つめ直し、きめ細やかな心と心のコミュニケーションを図る事業として、これを向上することに取り組んで参ります。
【地域の未来を担う子ども達のために】
「まちづくりはひとづくりから」という言葉があります。この中の「ひとづくり」とは我々の世代が責任を持って育てていく次世代を担う子ども達の育成であり、それに携わる我々の成長と言えるでしょう。大きな可能性と純粋な心を併せ持つ子どもたちは、この地域を輝かせ発展させることのできる未来の「宝」ですから、子ども達の未来を語ることは、すなわち地域社会の未来を考えることと密接に繋がるのです。過去や未来に目を向けても次代を担う子ども達の教育、とりわけ生きる力の原動力ともいえる物事に取り組む意欲や他者との信頼関係に必要な人間性を高めていくことは非常に大切なことです。子ども達は今まで経験したことのないことに思い切ってチャレンジし、同じ課題を共有する仲間との触れ合いや、普段あまり関わることのない世代との交流の中で個々の人間性は高まります。子ども達が小さな成功体験を積み上げることで自信を持ち、物事に積極的に取り組む意欲を育んでいけるような次世代人材育成事業を行って参ります。
【地域の未来を描き広めよう】
私達の住むちちぶ地域は、歴史や伝統文化が息づき、山々に囲まれた豊かな自然を持ち、その恵みとしての沢山の農産物や特産品、観光資源など享受出来る素晴らしい地域であります。ただ一方で、多種多様な個性を持つ余り、それぞれの魅力が一人歩きしているようにも見えます。日本中にちちぶ地域の魅力を伝えるためには今後どの分野の価値を高めていくべきなのか、 それとも個性ひとつひとつを総合的にブランドとしていくべきなのか、地域の未来について私たちひとりひとりが考えをめぐらすことは出来るはずです。
近年、地域の特色を生かした行政システムや、まちづくりを進める地方分権が全国各地で議論されるなか、最も大切なことは住民がこの地域の未来への責任と、自らの行動で地域の未来を変えることが出来るという自覚を持って、自主的にまちづくりに関わる積極性にあるといえるでしょう。そして、何よりそんな暮らしを楽しんでいることにあるのではないでしょうか。
まず、我々からこの地域の魅力を肌で感じ、郷土愛を育みながら、未来へのロードマップに夢を膨らませ行動しているという姿を見せ、共感の輪を広げていくことを始めていきましょう。
【地域諸団体との連携・協働】
我々は行政だけに限らず、様々な青年団体、専門分野にて活動を展開するNPO法人、地元の民間企業そして町内会など、規模や手法を問わず、ちちぶ地域に貢献するという同じ志を持った地域諸団体との連携を強化したいと考えます。積極的に地域諸団体と連携・協働しながらそれぞれの組織の利点を生かし、お互いに共通の課題認識を持つことで、JC単体では限界が生じてしまうかもしれない運動も地域全体へと波及効果をあげることが可能となるはずです。
【結びに】
「原点回帰~創始の精神を思い起こし、今の我々にしか出来ない情熱的なまちづくりを~」を旗印に、創立から半世紀に連なる素晴らしい過去を振り返り、先輩諸氏の創りあげた歴史と伝統に敬意を表すとともに、我々の青年会議所運動を支えていただいた全ての皆様方に心からの感謝の意を伝えて参ります。また、この大きな節目をもって、もう一度原点に立ち返り、より一層地域のリーダーとしての誇りと使命感を追求していく所存であります。そして100周年に向けた架け橋となるような記念事業を行政・企業・諸団体の皆様と手を携えて開催し、明るい豊かなちちぶ地域の実現に一歩でも近づこうと、更なる飛躍を遂げる(社)秩父青年会議所の姿を示して参ります。
最後になりましたが、会員諸兄姉のご理解ご協力をお願い申し上げ、また、関係諸団体様、会員企業様のご発展をお祈りし、本年度(社)秩父青年会議所理事長方針とさせていただきます。
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Last Upldated
2012-12-07